[レポート] D-3 拡販フェーズを生き残るチームに必要な2つの理論:八百屋理論とF1理論 – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022
2022年11月02日(水)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2022』がオンライン形式で開催されました。
当エントリでは、ブレイクアウトセッション『拡販フェーズを生き残るチームに必要な2つの理論:八百屋理論とF1理論』の参加(視聴)レポートをお届けします。
目次
セッション概要
セッション概要は以下の通りです。
拡販フェーズを生き残るチームに必要な2つの理論:八百屋理論とF1理論
[登壇者]
・山崎 聡氏(エムスリー株式会社/執行役員 CTO,VPoP)
[セッション概要]
昨今、多数のプロダクトマネジメントに関する書籍等を通じて、基本的な理論が整備されています。特にニーズの発掘から仮説検証、MVP開発についてはリーン/アジャイル開発の普及もあり、日本でも定着しつつあります。一方で、最低限のPMFを超えた後にプロダクトが直面する拡販フェーズ、つまりSaaS開発におけるオンボーディングやアダプションを生き残るための理論は、前者に比べて未だ十分に整備されていません。そこで本稿では「拡販フェーズを生き残るチームに必要な2つの理論:八百屋理論とF1理論」と題して、プロダクトの拡販フェーズで重要な2つの理論とその実践について解説します。
(※以上、公式サイトより引用)
セッションレポート
自己紹介
- pmconf2021:PdMが習得するべき7つのシコウ
- logmi Techにてインタビュー記事掲載中
- エムスリーについて
- インターネットを活用し、健康で長生きする人を1人でも増やし、不必要な医療コストを1円でも減らすこと
- エムスリーは医療業界に対する圧倒的な影響力を活用して医療問題の解決に取り組んでいます
- エムスリーのプロダクトと事業領域の拡大
- Platform x Product:健康で幸せな毎日をもっとよくするために
- エムスリーの主なプロダクト
- m3.com:日本最大級の医療従事者専用サイト
- MR君:製薬企業からの最新製薬・医療情報をターゲット医師に届けるプロモーションサービス
- Web講演会:日本最大級の医療従事者向けWebセミナープラットフォーム
- m3.com CAREER:医療の求人、転職情報なら医師求人掲載
- M3 DigiKar:導入No.1のクラウド電子カルテ
- デジスマ診療:キャッシュレス決済アプリ
- 「医療業界の人がITにチャレンジ」ではなく「IT業界の人が医療にチャレンジ」している会社
課題
- 拡販フェーズを生き残るために必要な「心構え」
- 「コア検証/MVP開発/PMF」:ここはたくさんの素晴らしい書籍たちが展開されている
- 「拡販フェーズ」:ここも同上
- しかし「コア検証/MVP開発/PMF」と「拡販フェーズ」の間、ここはまだあまり言語化されていない
- どうすれば良いのか?
- 八百屋理論
- F1理論
背景にあるプロダクト:デジスマについて
- デジスマで実現する新しい患者体験
- 医療機関:管理システム
- 患者:スマオアプリ
- 全ての機能がワンストップ:予約/自動受付/問診/電子カルテ連携/決済/次回予約促進
- デジスマの機能
- 再来でも新規でも便利な予約機能
- 診察券いらずの自動受付機能
- カスタマイズできる問診機能
- キャッシュレス・オンライン決済
- 次回予約を促すお知らせ配信機能
- 開発のタイムライン
- コア仮説の検証(2020年10月から3ヶ月)
- MVP開発(2021年01月から3ヶ月)
- PMF(2021年04月から12ヶ月)
- 拡販フェーズ(2022年04月から6ヶ月)
- 組織の規模
- PdM:2名
- デザイナ:3名
- エンジニア+QA:7名
- ビジネス+CS:デジカルと共有
- 主要KPI新規登録数:2022年3月末時点PMF完了
どうすれば良いのか?
- 八百屋理論xF1理論でKPIの成長を最大化する
八百屋理論
- KPIの成長から遠いことをやりがち問題
- 店の見た目をもっと豪華にしてみたら?3ヶ月掛かるけど!
- テレビCMを作って流してみたら?3ヶ月掛かるけど!
- POSを導入してデータ分析してみたら?3ヶ月掛かるけど!
- すぐに出来るアクションに集中する:KPIの成長にダイレクト
- へい、らっしゃい!奥さん良い野菜が入っているよ!
- 具体例:すぐにできるアクションに集中する、させる
- 直近取れたリードの傾向を分析
- 直近の商談の受注・失注の分析
- 直近の利用率の高い顧客を分析
- 成功事例に目を向けることが重要
- 今やることを明確にし、チームをKPIの成長に集中させる
F1理論
- KPIの成長を最大化させるアナロジー
- KPIはシンプルな掛け算で合成される
- F1優勝 = ドライバーの腕 x マシンの性能
- それぞれのKPIはさらに要素分解できる
- マシンの性能 = エンジン出力 x マシン重量 x グリップ性能
- まずはF1理論でシンプルなKPIを設計する
- 利用者数最大化 = 利用施設数 x 施設内利用者数
- 更にF1理論でKPIを要素分解する
- 利用施設数 = リード獲得数 x 受注効率
- 施設内利用者数 → アダプション効率
- 逆コンウェイの法則を使ってチームを再編成
- リード獲得効率は「リードチーム」に
- 受注効率は「受注チーム」に
- アダプション効率は「アダプションチーム」に
- KPIを構造化してチームを編成し、KPIの成長を最大化する
- それぞれのチームに八百屋理論を適用
- F1理論と八百屋理論を組み合わせた組織編成
- それから6ヶ月後...
- 主要KPI新規登録数は約10倍に成長
まとめ
- PMF後の拡販フェーズでまず何をするべきか?
- どうすればいいのか?:八百屋理論xF1理論でKPIの成長を最大化する
- 八百屋理論≒YAGNI
- F1理論≒OKR
- 学び
- プロダクトマネージャたるものキャッチーな言葉でチームを動かす
まとめ
という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2022のセッション『拡販フェーズを生き残るチームに必要な2つの理論:八百屋理論とF1理論 』の視聴レポートでした。